ピレリスーパー耐久シリーズ第 2 戦 SUGO スーパー耐久 3 時間レース
予選 : 10/10( 土 ) 雨 決勝 : 10/11( 日 ) 雨
2020 年、ピレリスーパー耐久シリーズに参戦を開始した Mercedes-AMG Team HIRIX Racing。新たな体制を築き迎えた第1戦・富士 SUPER TEC 24 時間レースでは、トラブルにも負けず見事総合優勝というこれ以上ないスタートを切ることに成功した。シーズンへ向けて勢いをつけたい第2戦の舞台は、宮城県のスポーツランド SUGO。山脇大輔/高木真一/ショウン・トンという3人のトリオで週末に臨んだ。
専有走行 STEL Free Practice
10/9( 金 ) 1 回目 9:30 ~ 11:00 /2回目 13:30~15:00天候:曇り コース:ドライ
第2戦の週末は、10 月9日(金)の専有走行から幕を開けた。台風 14 号が近づいており、レースウイークの天候には不安があったものの、この日のスポーツランドSUGO は曇り空。HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3 は山脇大輔からステアリングを握り、9時 30 分からの STEL 専有走行1回目に臨んだ。ただ、1周目に1分 55 秒 624 をマークするものの、直後にトンがわずかにコースアウトを喫してしまった。
幸いにも大きなダメージを負ったわけではなかったが、コースアウト時にフロアを傷めてしまった。スペアとなるパーツがサーキットにはなかったことから、取り寄せるためにこの日の専有走行1回目の残りセッション、さらに午後の専有走行2回目も走行を見合わせることになってしまった。もちろん無理をすれば走行も可能だったが週末は長い。翌日の予選に備えることになった。
公式予選 Qualify
10/10( 土 ) 10:00 ~ 12:20 ※悪天候により予選は中止
走行初日はほとんど周回を重ねることができなかった HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3。迎えた10 月 10 日(土)の予選日は、心配された台風 14 号こそ大きくコースはそれていったものの、朝から冷たい雨が降り続いていた。午前8時から行われた 30 分間のフリー走行も、コンディションは完全にウエット。山脇がステアリングを握りコースインしたが、全クラスの車両が走行していることもあり、ラップタイムとしては2分前後。セッションの最後に記録した1分 47 秒 158 がベストとなった。
このフリー走行の後、ST-4 / ST-5 クラスの Gr-2 の公式予選が9時 15 分から行われたが、やはり雨量 も多くコースアウトが相次いでしまう。このためタイムスケジュールも大きく遅れ、さらに雨が続いていたことから、10 時 40 分から予定されていた Gr-1 の公式予選は、エントラントの協議の末、中止が決定した。翌 10 月 11 日に予定される Gr-1 の決勝レースは、第1戦富士の結果でグリッドが決まることになり、 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3 はポールポジションからスタートすることになった。
決勝レース Race
10/11( 日 ) 13:00 ~ 天候:雨 コース:ウエット
ベストタイム:高木真一選手(1'34.932) 決勝結果: ST-X クラス2位
土曜の公式予選が中止になってしまったこともあり、金曜の走行開始から思うように周回を重ねることができなかった HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3。前日からの雨は小降りにはなったが、やはりウエット路面というなか、12 時 20 分から行われたウォームアップでは、高木真一がこの週末初めて走行。最後は山脇に交代し、レース前にセットアップを確認。変更を施し、13時からのレースに挑んだ。
ポールポジションからスタートした高木は1コーナーでトップを守るが、後方から優れたトラクションで #16ポルシェが迫る。1周目、高木に迫った #16 ポルシェはレインボーでわずかに高木に接触。#16 ポルシェはスピンを喫し、2番手には #777 アストンマーティンが浮上した。
序盤、濡れた路面では高木の方が速いが、雨が止み路面が乾きはじめると、#777 アストンマーティンの方が速い。ファステストを連発しながら、高木の後方に迫った。そんななか、39 周目に高木は最終コーナーでワイパーを操作していたところ、突如雨脚が強まり、らしからぬコースオフ。これで #777 アストンマーティンにトップを譲ってしまった。 しかし無事にコースに戻った高木は、43 周を終えピットイン。山脇に交代した。この頃には雨がふたたび強まり、コントロールも難しい状況となってしまう。
山脇は早めのピットインでトップに立っていた#16 ポルシェに接近するが、後方からプロが駆る #31 RC F、#9 GT-R が接近。60 周目には4番手へと後退した。しかしその差は僅差で、上位の顔ぶれを見ればこのコンディション下で山脇の走りは賞賛すべきもの。無事大役を果たすと、73 周を終えショウン・トンに交代。チームはタイヤを換えず、#16 ポルシェの後方でピットアウトさせてみせた。
ポジションを争っていた #31 RC F は、75 周を終えピットインしトンの前でコースに戻るが、トンは すぐにこれをパス。さらに #9 GT-R も 76 周でピットインするが、トンはこれも 78 周目に見事オーバーテ イク。これで HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3 は2番手までポジションを戻してみせた。
トンはさらに、トップを走っていた #16 ポルシェを追いかけたが、その頃には差も開いており、雨も降り続いている。シリーズを考えれば、第1戦の優勝に続いて2位ならば十分ポイントランキングトップを守ることができる。まして #16 ポルシェはスポット参戦だ。チームはトンにまずは順位を守りミスを犯さぬように指示を出した。 トンは HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3 をチェッカーに導き、2位表彰台を獲得した。金曜の状況から立て直した、Mercedes-AMG Team HIRIX Racing にとって最高の結果とも言えるだろう。